カテゴリ:米国株・企業分析・銘柄研究
はじめに|スナック菓子と飲料、二刀流の巨大企業
コンビニやスーパーの売り場で、ポテトチップスの「レイズ」や「ドリトス」、そして炭酸飲料の「ペプシコーラ」を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これらすべてを手がけているのが、今回取り上げるペプシコ(ティッカー:PEP)です。
「米国株 企業分析シリーズ」第23回では、前回まで取り上げてきたコカ・コーラやマクドナルドと同じ生活必需品セクターに属しながら、スナック菓子と飲料を両輪で展開する独自の多角化戦略を持つペプシコを取り上げます。2025年通期の決算内容から、53年連続増配という配当王としての実績まで、数字を交えてわかりやすく解説します。
会社概要|ペプシコはどんな会社か
ペプシコは1965年、ペプシコーラ社とスナック菓子メーカーのフリトレー社が合併して誕生しました。以来60年にわたり、飲料とスナック菓子の両分野で事業を拡大してきた食品・飲料業界の巨大企業です。
会社名:PepsiCo, Inc.
ティッカー:PEP(NASDAQ上場)
本社:アメリカ ニューヨーク州パーチェス
設立:1965年
株価:約143.48ドル(2026年8月時点)
時価総額:約1,960億ドル(2026年8月時点)事業セグメント|スナックと飲料の二本柱
ペプシコの最大の特徴は、単一の飲料メーカーではなく、スナック菓子事業を収益の柱として持っている点です。事業は主に地域・カテゴリー別の7つのセグメントで構成されています。
主な事業セグメント
・フリトレー北米(Lay's・Doritos・Cheetos・Tostitos等)
・クエーカー・フーズ北米(オートミール・シリアル等)
・ペプシコ・ビバレッジーズ北米(ペプシ・ゲータレード等)
・ラテンアメリカ
・欧州
・AMESA(アフリカ・中東・南アジア)
・APAC(アジア太平洋)前回取り上げたコカ・コーラが濃縮原液の製造・ブランド管理に特化した「アセットライト」な経営を貫いているのに対し、ペプシコはスナック菓子の製造から飲料のボトリングまで自社で幅広く手がける、より裾野の広い事業構造を持っています。この違いが、両社の収益構造や利益率の差にもつながっています。
2025年通期決算をチェック
2026年2月に発表された2025年通期決算では、増収と底堅い収益力が確認されました。
2025年通期 主要指標
純売上高:939.25億ドル(前年比+2%)
コア営業利益:149.12億ドル(前年比+1.5%)
GAAP EPS:6.00ドル(前年比-14%)
コアEPS:8.14ドル(前年並み)GAAPベースのEPSは一時的な費用計上の影響で前年から減少しましたが、事業の実態を示すコアEPSはほぼ横ばいを維持しています。会社側は2026年通期についても既存の業績見通しを据え置いており、北米事業の改善と海外事業の底堅さを軸にした成長戦略を掲げています。
53年連続増配|配当王としての実績
ペプシコの大きな魅力の一つが、配当の継続性です。2025年6月支払い分から年間配当を1株あたり5.42ドルから5.69ドルへと5%引き上げ、これで実に53年連続の増配を達成しました。
配当関連データ(2026年8月時点)
連続増配年数:53年(配当王)
年間配当:5.69ドル
配当利回り:約4.0%25年以上の連続増配を続ける企業は「配当貴族」、50年以上は「配当王」と呼ばれます。ペプシコは前回取り上げたコカ・コーラ(64年)や、その前に取り上げたマクドナルド(49年、間もなく配当王入りの見込み)と並び、生活必需品セクターを代表する連続増配企業の一つです。配当利回りも約4.0%と、同業他社と比べて高めの水準にあります。
バリュエーション・株価指標
2026年8月時点の主な株価指標は以下の通りです。
生活必需品株らしく、ハイテク株と比べてPERは控えめな水準です。一方で配当利回りは同業他社の中でも相対的に高く、インカムゲインを重視する長期投資家から根強い支持を集めています。
他の生活必需品株との比較
本シリーズでこれまで取り上げてきた連続増配企業と比較すると、ペプシコの立ち位置がより明確になります。
同じ生活必需品セクターでも、ペプシコは事業の多角化によって特定カテゴリーへの依存度を下げている点が特徴です。一方で配当利回りが相対的に高いのは、株価がここ数年伸び悩んでいることの裏返しでもあり、成長性と割安感のバランスを見極める視点が欠かせません。
リスク要因|押さえておきたい注意点
投資判断の前に押さえておきたいリスクも整理しておきましょう。
主なリスク要因
・健康志向の高まりによるスナック菓子・炭酸飲料離れ
・GLP-1薬(肥満治療薬)普及による食欲・飲料消費への影響
・北米スナック事業の成長鈍化
・新興国通貨安など為替変動が海外売上に与える影響特に近年は、消費者の健康志向の高まりや低価格帯商品への需要シフトが北米スナック事業の成長を鈍化させており、会社側も商品ラインナップの見直しやコスト構造改革を進めています。今後の決算では、北米事業の回復ペースを注視しておきたいところです。
まとめ|多角化とインカムの両立を狙う銘柄
ペプシコは、スナック菓子と飲料という二つの収益源を持つ多角化戦略と、53年連続増配という配当株としての厚い実績を兼ね備えた企業です。2025年通期決算ではコアEPSが底堅く推移する一方、北米事業の成長鈍化という課題も抱えています。同じ生活必需品セクターのコカ・コーラやマクドナルドと比較しながら、事業構造や配当方針の違いを理解した上で投資判断を行うことが大切です。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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