はじめに|ヘルスケアセクターの代表銘柄を見ていきましょう
前回の「セクター別個別株シリーズ①」では、米国株市場を牽引するテクノロジーセクターの代表銘柄としてApple・Microsoft・NVIDIAを取り上げました。今回はシリーズ第2回として、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブセクターの代表格であるヘルスケアセクターに注目します。
取り上げるのは、総合ヘルスケア企業のJohnson & Johnson(JNJ)、医療保険最大手のUnitedHealth Group(UNH)、そして製薬大手のEli Lilly(LLY)の3銘柄です。同じヘルスケアセクターに属していても、事業内容も株価の値動きの傾向も大きく異なります。それぞれの特徴を比較しながら、銘柄選びのヒントをお伝えします。
ヘルスケアセクターが米国株に占める役割
ヘルスケアセクターは、テクノロジーセクターと並んでS&P500の時価総額上位を占める主要セクターのひとつです。医薬品・医療保険・医療機器など事業領域は幅広く、人々の健康や医療需要という景気に左右されにくい土台の上に成り立っているのが特徴です。
そのため、景気後退局面でも相対的に業績が安定しやすく、ポートフォリオ全体の値動きを穏やかにする「ディフェンシブ銘柄」として活用されることが多いセクターです。一方で、新薬の開発失敗や薬価規制、政策変更といったセクター特有のリスクも存在するため、値動きが安定しているからといって油断はできません。
Johnson & Johnson(JNJ)|幅広い事業を持つヘルスケアの総合企業
Johnson & Johnsonは、医薬品事業と医療機器事業を中心に展開する総合ヘルスケア企業です。かつては消費者向け製品事業も抱えていましたが、近年は医薬品・医療機器という利益率の高い事業への集中を進めています。
複数の事業領域に分散していることに加え、長年にわたり配当を増やし続けてきた実績があり、安定志向の投資家から根強い人気を集めています。一方で、特定の主力医薬品の特許切れによる収益減少や、過去の訴訟リスクが株価の重荷になることもあるため、事業ポートフォリオの中身を定期的に確認しておくことが大切です。
UnitedHealth Group(UNH)|米国最大級の医療保険会社
UnitedHealth Groupは、医療保険事業を中核としながら、医療データ分析やヘルスケアサービスを手がける子会社Optumも展開する複合ヘルスケア企業です。米国の医療保険市場において高いシェアを持ち、加入者数の多さを背景に安定したキャッシュフローを生み出しています。
保険料収入という比較的読みやすい収益構造が強みですが、米国の医療保険制度や薬価政策の変更、医療費の増加ペースが業績に直接影響しやすい点は留意が必要です。政治・規制動向のニュースに株価が敏感に反応しやすい銘柄ともいえます。
Eli Lilly(LLY)|成長期待の高い製薬大手
Eli Lillyは、糖尿病治療薬や肥満治療薬などの分野で存在感を高めている製薬大手です。近年は肥満治療薬関連の需要拡大を背景に高い成長期待を集めており、ヘルスケアセクターの中でも比較的値動きの大きい銘柄として注目されています。
新薬のヒットが業績と株価を大きく押し上げる一方、臨床試験の結果や競合の開発動向、薬価交渉の行方によって株価が変動しやすいという側面も持ちます。同じ製薬企業でも、パイプライン(開発中の薬剤群)の内容によってリスクとリターンの性質は大きく異なります。
3銘柄の特徴を徹底比較
銘柄選びで意識したいポイント
同じヘルスケアセクターでも、事業モデルによってリスクとリターンの性質は大きく異なります。銘柄を選ぶ際は、以下の視点で自分に合っているかを確認してみましょう。
- 収益源が保険料・医薬品売上・保険政策のどれに依存しているか
- 新薬開発や規制動向など、セクター特有のリスクを理解できているか
- 配当の安定性を重視するか、成長性を重視するかが明確か
- ヘルスケアセクター内でも複数銘柄やETFに分散できているかディフェンシブセクターだからといって値動きがないわけではありません。特に製薬企業は新薬の開発状況によって株価が大きく動くことがあるため、事業内容を理解したうえで投資判断をすることが重要です。
まとめ
今回はヘルスケアセクターの代表銘柄として、Johnson & Johnson・UnitedHealth Group・Eli Lillyのビジネスモデルと特徴を比較しました。ディフェンシブセクターとして知られるヘルスケアの中にも、安定志向の企業から成長期待の高い企業までさまざまなタイプが存在します。次回以降も他のセクターの代表銘柄を取り上げていきますので、あわせて銘柄選びの参考にしていただければと思います。
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