カテゴリ:米国ETF・信託報酬・スプレッド・出来高・資産形成
はじめに|「同じような指数のETF」、何で選べばいいのか
前回の【米国ETF入門シリーズ④】では、テクノロジーやヘルスケアといったセクター別ETFの特徴を取り上げました。これまでのシリーズでは、VOOやVTIのような指数連動ETF、セクター別ETFなど、さまざまなタイプのETFを見てきましたが、実際に同じような指数に連動するETFが複数あると、「結局どれを選べばいいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そんなときに見るべきポイントが「コスト」です。今回は、ETFを選ぶうえで欠かせない3つのコスト要素「信託報酬」「スプレッド」「出来高」について、それぞれの意味と確認方法をわかりやすく解説していきます。
ETFのコストには3つの種類がある
ETFにかかるコストは、一見すると分かりにくいものですが、大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。
ETFの主なコスト
① 信託報酬(経費率)
→ ETFを保有している間、毎年自動的に差し引かれるコスト
② スプレッド
→ 買うときと売るときの価格差。取引のたびに発生するコスト
③ 出来高(流動性)
→ 直接のコストではないが、低いとスプレッドが広がりやすいこのうち①は「保有コスト」、②③は「取引コスト」に関係するものです。長期で保有するほど①の影響が大きくなり、頻繁に売買するほど②③の影響を受けやすくなります。
信託報酬(経費率)の違いを比較する
信託報酬は、ETFごとに設定されている年率のコストです。同じS&P500に連動するETFでも、運用会社によって信託報酬には差があります。
※ 信託報酬は変更される可能性があるため、購入前に最新の目論見書をご確認ください。
数字だけ見るとわずかな差に思えますが、信託報酬は保有している限り毎年かかり続けるコストです。長期で保有する前提であれば、同じ指数に連動するETFの中でも、できるだけ信託報酬の低いものを選んでおくと、将来的なリターンの差につながります。
スプレッドと出来高の関係
スプレッドとは、ETFを買うときの価格(ASK)と売るときの価格(BID)の差のことです。このスプレッドが広いほど、売買のたびに不利な価格で取引することになります。
スプレッドが広がりやすい条件
・出来高(1日あたりの取引量)が少ない
・運用資産規模(AUM)が小さい
・取引時間帯が薄い(市場が閑散としている時間帯)出来高が多いETFは、買いたい人と売りたい人が常に一定数いる状態のため、スプレッドが狭くなりやすい傾向があります。逆に、ニッチなテーマのETFやマイナーなセクターETFは、出来高が少なくスプレッドが広がりやすいため、購入前に確認しておくと安心です。
コストを確認する際のチェックポイント
実際にETFを選ぶ際は、次のような視点でコストを確認してみましょう。
ETF選びのコストチェックポイント
① 同じ指数に連動するETFを比較し、信託報酬の低いものを選ぶ
② 運用資産規模(AUM)が一定以上あるかを確認する
③ 1日あたりの出来高が十分にあるかを確認する
④ 短期売買が多い場合は、スプレッドの狭さも重視する
⑤ 長期保有が前提なら、信託報酬の差を最優先で比較する特に新NISAで長期的に積み立てていく場合は、信託報酬の差が何十年という期間で積み重なっていきます。一方、まとまった金額を一度に売買するような場面では、スプレッドや出来高の影響も無視できません。自分の投資スタイルに応じて、どのコストを重視すべきかを判断することが大切です。
まとめ|コストの違いを理解して、賢くETFを選びましょう
今回のポイントを振り返ります。
今回のまとめ
・ETFのコストは「信託報酬」「スプレッド」「出来高」の3つに分けて考える
・信託報酬は保有中ずっとかかる年率コストで、長期保有ほど影響が大きい
・出来高が少ないとスプレッドが広がりやすく、取引コストが増えやすい
・長期保有なら信託報酬、短期売買ならスプレッド・出来高を重視する同じような指数に連動するETFでも、コストの違いによって長期的なリターンに差が生まれます。次にETFを選ぶときは、リターンだけでなくコストの面にもしっかり目を向けてみてください。次回【米国ETF入門シリーズ⑥】では、ETFの実際の買い方・注文方法について、初心者の方向けに詳しく解説していきます。
関連記事
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
タグ: #米国ETF #信託報酬 #スプレッド #出来高 #ETF入門 #資産形成 #投資初心者 #東京米国株クラブ