米国株(米国株式)投資を始めた方が真っ先に抱く疑問の一つが「米国株・米国株式で利益が出たら確定申告をしなければいけないのか?」という点です。
結論から言うと、大半の個人投資家の方は確定申告をする必要がありません。利用している証券口座の種類や利益の金額によって、申告の要不要が明確に決まっています。
本記事では、米国株式の確定申告が必要なケースと不要なケースの判定条件、会社員に関係する「20万円ルール」、あえて確定申告を行った方が得するパターン(外国税額控除・損益通算)、具体的な手続きの流れまでを分かりやすく解説します。
【判定表】米国株・米国株式の確定申告が必要な人・不要な人
✅ 確定申告が「不要」なケース
- 特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合
利益が出るたびに証券会社が税金を自動で天引き・納付するため原則不要です。 - 新NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)で取引している場合
利益や配当金が全額非課税になるため不要です。 - 給与所得者(会社員)で、特定口座(源泉なし)や一般口座の年間利益が20万円以下の場合
⚠️ 確定申告が「必須」なケース
- 特定口座(源泉徴収なし)で年間20万円を超える利益が出た場合(会社員)
- 一般口座で年間20万円を超える利益が出た場合(会社員)
- 個人事業主、フリーランス、無職の方で株の利益が出た場合(基礎控除等を超える場合)
会社員の「年間20万円ルール」と注意点
給与所得を得ている会社員や公務員の場合、給与以外の所得(株式投資の利益や副業収入など)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告を行わなくてもよい特例(20万円ルール)があります。
ただし注意が必要なのは、「所得税の確定申告」は不要でも「住民税」の申告は各自治体に別途必要となる場合があるという点です。
申告漏れや予期せぬ手間を防ぐためにも、やはり最初から「特定口座(源泉徴収あり)」で口座を開設しておくのが一番安全です。口座選びの詳しい比較は特定口座と一般口座の選び方ガイドをご覧ください。
確定申告を行うと「得する」2つのパターン
特定口座(源泉徴収あり)を選んでいて本来は申告不要な方でも、あえて確定申告手続きを行うことで節税できたり還付金を受け取れたりするパターンがあります。
パターン①:二重課税された配当金を取り戻す(外国税額控除)
米国株の配当金は、米国現地で10%が徴収され、日本国内でも約20.315%が引かれています(二重課税)。確定申告を行い「外国税額控除」を申請すれば、米国で差し引かれた10%分を取り戻すことができます。申請のやり方は外国税額控除のやり方解説をご覧ください。
パターン②:売買の損失(赤字)を繰り越す・相殺する(損益通算・繰越控除)
年間で米国株の売買損益がトータルでマイナス(赤字)になった場合、確定申告(申告分離課税)を行うことで、他の証券会社で得た利益や配当金と相殺して納め過ぎた税金を還付させたり(損益通算)、赤字を最大3年間繰り越して翌年以降の利益から相殺(繰越控除)したりすることができます。
米国株の確定申告の手順と必要書類
もし確定申告を行う場合、以下の手順で進めます。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、国税庁の「e-Tax(電子申告)」で自宅から簡単に提出可能です。
- 証券会社の「年間取引報告書」を入手する
各ネット証券のマイページ(交付書類一覧)から電子PDFでダウンロードできます。 - 国税庁「確定申告書等作成コーナー」を開く
- 「申告分離課税」または「配当所得」を選択し、報告書の数値を入力する
- 外国税額控除を受ける場合は「外国税額控除の入力」を完了する
- マイナンバーカードで送信し、税金の還付を待つ
当サイトの米国株の税金ナレッジページでも関連情報を分かりやすく整理しています。
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確定申告を行わなかった場合のペナルティ(申告漏れ注意)
特定口座(源泉徴収なし)や一般口座で年間20万円を超える利益が出ているにもかかわらず、確定申告を行わなかった場合、国税庁の税務調査によって申告漏れが発覚するリスクがあります。
ネット証券であっても顧客の取引データは国税庁に送信(法定調書として提出)されているため、隠し通すことは不可能です。申告が遅れると、本来支払うべき税金に加えて「無申告加算税(15%〜20%)」や遅延損害金にあたる「延滞税」という罰金が加算されます。不安な方は必ず期限内(毎年2月16日〜3月15日)に申告を行うか、最初から特定口座(源泉徴収あり)にしておきましょう。
まとめ
米国株の確定申告は、「特定口座(源泉徴収あり)」または「新NISA」を使っていれば原則として全く不要です。
二重課税された配当金を取り戻したい場合や、損失が出た場合のみ確定申告制度を上手に活用しましょう。投資の疑問や初心者向けアドバイスについては、ぜひ当クラブの初心者向け米国株・NISAセミナーでご質問ください!