カテゴリ:米国ETF・分配金・新NISA・配当・資産形成
はじめに|ETFの分配金、こんな疑問はありませんか
前回の【米国ETF入門シリーズ②】では、S&P500型・米国全体型・全世界型という代表的な指数連動ETFの違いについて整理しました。今回はテーマを変えて、ETFを保有していると受け取れる「分配金」について解説します。
「分配金はいつ入ってくるのか」「投資信託の分配金と何が違うのか」「新NISA口座で受け取っても本当に非課税なのか」など、いざ実際にETFを買おうとすると意外と分からない点が多いのではないでしょうか。今回は、ETFの分配金の仕組みと税金の扱い、そして新NISAでETFを購入する際に気をつけたいポイントを順番に見ていきます。
ETFの分配金とは何か
ETFの分配金とは、ETFが保有している株式から受け取った配当金などを、決算ごとに投資家へ分配するお金のことです。個別株の配当金と似た性質を持っていますが、ETFは多数の銘柄をまとめて保有しているため、構成銘柄全体から得られた配当をまとめて受け取る形になります。
ETFの分配金の特徴
・構成銘柄が支払う配当をまとめて受け取れる
・分配のタイミング・頻度はETFごとに決められている
・分配金額は構成銘柄の業績によって変動する
・株式と同様、証券口座に現金で入金されるなお、すべてのETFが分配金を出すわけではありません。配当を出さない成長株中心のETFや、分配金を出さずに自動で再投資する設計のETFも存在しますので、購入前に目論見書などで確認しておくと安心です。
分配金はいつ・どのように支払われるのか
分配金が支払われるまでには、いくつかの重要な日付があります。代表的な用語を整理しておきましょう。
分配金にまつわる主な日付
① 権利確定日(レコードデート)
→ この日にETFを保有していると分配金を受け取れる
② 配当落ち日(エックスデート)
→ 権利確定日の前営業日。この日以降に買うと今回の分配は対象外
③ 支払日(ペイメントデート)
→ 実際に分配金が証券口座へ入金される日代表的なETFの分配頻度は、銘柄によって異なります。主なETFの分配頻度を比較してみましょう。
※ 分配頻度や金額は将来変更される可能性があるため、購入前に最新の運用報告書をご確認ください。
分配金にかかる税金の仕組み
ETFの分配金にも、個別株の配当金と同じく税金がかかります。米国ETFの場合、アメリカでの源泉徴収(10%)と、日本での課税(20.315%)という「二重課税」の仕組みがある点に注意が必要です。二重課税の詳しい仕組みや、確定申告で一部を取り戻せる「外国税額控除」については、以前の記事で詳しく解説していますので、気になる方はあわせてご覧ください。
ここで押さえておきたいのは、ETFの分配金もこの二重課税の対象になるという点です。受け取った分配金がそのまま全額手元に残るわけではないことを、あらかじめ理解しておきましょう。
新NISA口座でETFを購入する際の注意点
新NISA口座でETFを購入すると、日本国内でかかる20.315%の税金が非課税になります。これは大きなメリットですが、いくつか注意しておきたい点もあります。
新NISAでETFを買う際の注意点
① 米国の源泉税10%は新NISAでも課税される
→ 日本側が非課税でも、アメリカ側の課税は避けられない
② 外国税額控除が使えない
→ 控除は「日本で課税された税金」から差し引く仕組みのため
非課税の新NISA口座では使えない
③ 分配金は自動で再投資されない
→ 投資信託(積立型)と違い、ETFは受け取った分配金を
自分で再度買い付ける必要がある
④ 再投資すると新NISAの非課税枠を消費する
→ 受け取った分配金を新NISA口座で再投資する場合、
その分の非課税枠(年間投資枠)を新たに使うことになる特に③と④は、投資信託の自動積立に慣れている方が見落としやすいポイントです。投資信託であれば分配金が自動的に再投資される設計のものが多いですが、ETFは受け取った分配金を自分で判断して再投資するかどうかを決める必要があります。再投資を忘れたまま現金が口座に残り続けてしまう、いわゆる「キャッシュドラグ」にも注意しましょう。
まとめ|分配金の仕組みを理解して受け取りましょう
今回のポイントを振り返ります。
今回のまとめ
・ETFの分配金は構成銘柄の配当をまとめて受け取る仕組み
・権利確定日・配当落ち日・支払日という3つの日付がある
・分配金にも米国10%・日本20.315%の二重課税がかかる
・新NISAでも米国の源泉税は課税され、外国税額控除は使えない
・分配金は自動再投資されないため、再投資は自分で判断するETFの分配金は、受け取って終わりではなく、税金の仕組みや再投資の判断まで含めて理解しておくことで、長期的な資産形成にうまく活用できます。次回【米国ETF入門シリーズ④】では、テクノロジー・ヘルスケアといったセクター別ETFの特徴と活用法について解説していきます。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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