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はじめに|「配当そのもの」を狙うETFとは
前回の【米国ETF入門シリーズ⑰】では、配当を増やし続ける企業に投資する「増配ETF」を取り上げました。今回はそれとよく比較される、現時点での分配金利回りの高さを重視した「高配当ETF」について解説します。代表的な銘柄であるVYM・HDV・SPYDを比較しながら、増配ETFとの違いや、それぞれの銘柄構成の特徴を見ていきましょう。
高配当ETFとは何か
高配当ETFとは、配当利回りが相対的に高い銘柄を集めて構成されたETFのことです。増配ETFが「将来にわたって配当を増やし続ける企業」に着目するのに対し、高配当ETFは「現時点での配当利回りの高さ」を重視して銘柄を選定する点が大きな違いです。
そのため、高配当ETFにはエネルギーや金融、通信、公益事業といった、比較的成熟した業種の企業が多く組み入れられる傾向があります。
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)の特徴
VYMは、バンガード社が運用する高配当ETFの代表格です。
運用会社:バンガード
連動指数:FTSE ハイディビデンド・イールド指数
組入銘柄数:約500銘柄超
経費率:0.06%
分配金利回り:おおむね2.5〜3%台で推移(時期により変動)VYMは組入銘柄数が非常に多く、特定のセクターや銘柄への偏りが少ないことが特徴です。経費率も業界最低水準で、コストを抑えながら分散して高配当株に投資したい方に向いています。
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)の特徴
HDVは、ブラックロック社が運用する高配当ETFで、財務健全性を重視した銘柄選定が特徴です。
運用会社:ブラックロック(iシェアーズ)
連動指数:モーニングスター配当フォーカス指数
組入銘柄数:約75銘柄
経費率:0.08%
分配金利回り:おおむね3.5〜4%台で推移(時期により変動)HDVは財務の健全性をスクリーニングした上で高配当銘柄を選ぶため、エネルギーやヘルスケア、生活必需品セクターの比率が高くなる傾向があります。銘柄数がVYMより絞られている分、値動きにやや個別銘柄の影響が出やすい点は意識しておきましょう。
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)の特徴
SPYDは、S&P500構成銘柄の中から配当利回り上位80銘柄を均等加重で組み入れるETFです。
運用会社:ステート・ストリート
連動指数:S&P500高配当指数
組入銘柄数:80銘柄
経費率:0.07%
分配金利回り:おおむね4〜5%台で推移(時期により変動)SPYDは均等加重方式を採用しているため、時価総額の大きい企業に偏らず、幅広い高配当銘柄に分散投資できる点が特徴です。その分、VYMやHDVと比べて分配金利回りは高くなりやすい一方、景気敏感セクターの比率が高まりやすい傾向もあります。
高配当ETF3銘柄の比較
数値は市況によって変動するため、実際の投資判断の際は各運用会社の公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
増配ETFとの違い
【米国ETF入門シリーズ⑰】で紹介したVIG・DGRO・SCHDなどの増配ETFと、今回の高配当ETFはどちらも配当(分配金)に着目した商品ですが、狙いが異なります。
・増配ETF:配当を「増やし続けてきた実績」を重視。利回りは高配当ETFよりやや低めだが、財務が安定した企業が多く、株価の値上がり益も期待しやすい
・高配当ETF:「今この瞬間の利回りの高さ」を重視。分配金は多く受け取れるが、株価の成長性は増配ETFに劣後する場面もある分配金を今すぐ多く受け取りたいのか、将来の増配と値上がり益の両方を狙いたいのかによって、どちらを選ぶべきかが変わってきます。
高配当ETFのリスク・注意点
・利回りの高さは株価下落によって一時的に高く見えている場合がある
・景気敏感セクターの比率が高く、景気後退局面で分配金が減配されるリスクがある
・値上がり益(キャピタルゲイン)は成長株中心のETFより見劣りしやすい
・分配金には米国での源泉徴収税がかかるため、新NISA口座でも一定の税負担が発生する高配当ETFは「利回りの高さ」だけで選ぶのではなく、組入銘柄のセクター構成や過去の分配金推移も確認した上で検討することが大切です。
こんな人に向いている
高配当ETFは、資産形成期に値上がり益を最大化したい人よりも、毎年の分配金というキャッシュフローを重視したい人に向いています。たとえば、資産の一部を取り崩しながら生活費の足しにしたい方や、値動きに一喜一憂せず定期的な入金を楽しみにしたい方に適した商品といえます。一方、これから長期で資産を大きく増やしたい現役世代の方は、増配ETFやS&P500連動型ETFと組み合わせてバランスを取ることをおすすめします。
まとめ
VYM・HDV・SPYDはいずれも米国の代表的な高配当ETFですが、組入銘柄数や経費率、分配金利回りにそれぞれ特徴があります。増配ETFとの違いを理解した上で、自分の投資目的やライフステージに合わせて使い分けていきましょう。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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