この記事の要点

  • はじめに|「AIエージェントの実行基盤」に進化するServiceNow
  • ServiceNowとは|Now Platformが支える「業務のデジタル化」
  • 2026年第2四半期決算のポイント
  • Agentic AI戦略|「AIコントロールタワー」構想の中身
  • 投資家が注目すべきポイントとリスク

カテゴリ:米国株・企業分析・AI関連株


はじめに|「AIエージェントの実行基盤」に進化するServiceNow

ServiceNow(サービスナウ、ティッカー:NOW)は、もともと企業のITサービス管理(ITSM)を効率化するSaaS企業として知られてきました。しかし2026年現在のServiceNowは、単なる業務効率化ツールの提供企業から、企業内のあらゆるAIエージェントが実際に業務を実行するための「基盤(プラットフォーム)」を担う企業へと姿を変えつつあります。

今回は米国株 企業分析シリーズの第46回として、ServiceNowのビジネスモデルと最新の決算内容、そして急速に存在感を高めているAgentic AI(自律型AI)戦略について、わかりやすく解説します。

ServiceNowとは|Now Platformが支える「業務のデジタル化」

ServiceNowは2004年創業、カリフォルニア州サンタクララを拠点とする企業向けクラウドソフトウェア企業です。同社の中核である「Now Platform」は、IT部門・人事部門・カスタマーサービス部門など、企業内のさまざまな業務プロセスを一元的にデジタル化・自動化するワークフロー基盤として、世界中の大企業に導入されています。

・ITワークフロー:システム障害対応や社内IT申請の自動化
・従業員体験(HR):入社手続きや社内問い合わせ対応の効率化
・カスタマーワークフロー:顧客サポート業務のデジタル化
・クリエイターワークフロー:業務アプリを低コードで開発できる基盤

近年ではこれらの基盤に生成AI機能「Now Assist」を組み込み、さらに2026年に入ってからは、AIエージェントが自律的にタスクを実行する「Agentic AI」の中核インフラを目指す方針を明確に打ち出しています。

2026年第2四半期決算のポイント

2026年に発表された第2四半期決算では、総売上高が39.9億ドルと前年同期比24%増加し、収益の柱であるサブスクリプション収益は38.77億ドルで前年比24.5%増となりました。非GAAPベースの純利益は9.3億ドル(前年同期は8.51億ドル)、非GAAPベースの営業利益率は29.5%と高水準を維持しています。

好調な決算を受け、経営陣は2026年通期のサブスクリプション収益ガイダンスを157.55億〜157.70億ドル(為替影響を除く実質成長率21%)へと引き上げました。四半期ごとに増収ペースが加速している点は、大企業向けエンタープライズソフトウェアとしては際立った強さといえます。

Agentic AI戦略|「AIコントロールタワー」構想の中身

ServiceNowの成長戦略で最大の注目点が、AIエージェントを制御・管理する「AIコントロールタワー」という構想です。企業が社内で複数のAIエージェント(自社開発のもの、他社のAI製品など)を同時に運用するようになると、それらを横断的に監督・統制する仕組みが不可欠になります。ServiceNowはこの「司令塔」の役割を自社プラットフォームで担う戦略を進めています。

・AI年間契約金額(ACV):10億ドルを突破
・Agentic AIの導入件数:9カ月でおよそ9倍に急増
・AIコントロールタワー:導入開始から6カ月で500社超が採用
・Now Assist:年間利用額100万ドル超の顧客数が前年比130%超増加
・外部連携:ClaudeやCopilotなど他社製AIエージェントにもプラットフォームを開放

特に注目すべきは、ServiceNowが自社開発のAIエージェントだけでなく、他社が開発したAIエージェントも自社の「システム・オブ・アクション(実行基盤)」上で動かせるよう開放した点です。これにより、同社は特定のAIモデルの優劣に左右されにくい、いわば「AIの通行料を徴収する土台」としての立ち位置を強化しようとしています。従来の座席(ユーザー数)課金モデルから、AIエージェントの稼働量に応じた従量課金モデルへの移行も進んでおり、収益構造そのものが変化しつつある点は今後の成長ドライバーとして注目されます。

投資家が注目すべきポイントとリスク

ServiceNowへの投資を検討する際は、以下のような視点でビジネスの実力を見極めることが重要です。

注目ポイント
・サブスクリプション収益の高成長が今後も持続するか
・Now AssistやAIコントロールタワーの大口顧客がどこまで拡大するか
・従量課金モデルへの移行が収益の安定性・予測可能性に与える影響

主なリスク
・MicrosoftやSalesforceなど競合ベンダーとのAIプラットフォーム争いの激化
・AIエージェント活用が期待ほど企業に浸透しない場合の成長鈍化
・大型投資に伴うGAAPベースでの営業利益率の低さ(Q2実績は4%)
・マクロ環境悪化時の企業IT予算縮小リスク

GAAPベースの営業利益率が4%にとどまっている点は、AI関連投資や研究開発費の重さを反映したものであり、非GAAPベースの高い収益性とのギャップをどう評価するかが、投資判断の分かれ目になりそうです。

まとめ

ServiceNowは、企業向けワークフロー管理のSaaS企業から、AIエージェントを統制する「AIコントロールタワー」を担う企業へと進化を続けています。2026年第2四半期は増収増益を達成し、AI関連の契約金額も急拡大しました。座席課金から従量課金への移行という収益構造の変化も含め、今後の決算とAI戦略の進捗を継続的にウォッチしていくことが、ServiceNowを理解するうえで欠かせません。


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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。

タグ: #米国株企業分析 #ServiceNow #AgenticAI #資産形成 #投資初心者 #東京米国株クラブ

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この記事の執筆者:とびー米国株長期投資家

投資歴5年以上の米国株長期投資家。「東京米国株クラブ」の主宰。投資=ギャンブルだと思い大損する失敗を経験するも、企業分析(財務諸表の徹底的な読み解き)に基づいた長期投資へシフトし、5年間で+1300%超(約13倍)の実績を達成。2026年7月にはサイドFIRE(経済的自立)を達成。現在はサラリーマン・事業主として多忙な日々を送りつつ、初心者向けの投資セミナーを東京・オンラインで開催中。

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