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はじめに|「不動産オーナー」に少額からなれる仕組み
前回の【米国ETF入門シリーズ⑭】では、株式・債券とは異なる値動きをする「金ETF」について解説しました。今回取り上げる「REIT(リート)ETF」も、株式・債券・金とはまた違った特徴を持つ資産です。
REITとは「不動産投資信託」のことで、オフィスビルや商業施設、物流施設、賃貸住宅などに投資し、その賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みの金融商品です。個人で不動産を所有するには多額の資金が必要ですが、REIT ETFを使えば、少額から複数の不動産に分散投資したのと同じような効果を得られます。
今回は、VNQなど代表的な米国REIT ETFを取り上げながら、株式や債券との違い、分配金の高さの理由や注意点について解説します。
REIT ETFとは
まずREITの基本的な仕組みを整理しましょう。
・REIT:投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、住宅などの不動産を保有・運用する法人
・REIT ETF:複数のREITをまとめてパッケージ化し、株式のように取引所で売買できるようにした商品
・分配金の仕組み:REITは利益の90%以上を分配することを条件に、法人税が実質的に免除される制度があるこの「利益の90%以上を分配する」というルールがあるため、REITは一般的な株式に比べて分配金利回りが高くなりやすいという特徴があります。
代表的な米国REIT ETF
米国市場に上場している代表的なREIT ETFを比較してみましょう。
いずれも米国の不動産市場全体に分散投資できる点は共通していますが、組み入れ銘柄の構成比や経費率に違いがあるため、事前に比較しておくとよいでしょう。
なぜREITは分配金利回りが高いのか
REITの分配金利回りが株式より高くなりやすい理由を整理します。
分配金利回りが高い一方で、REITは不動産を取得する際に借入(ローン)を活用することが多く、金利が上昇すると借入コストが増加し、価格が下落しやすくなる傾向があります。この点は、これまでのシリーズで解説した債券ETFと似た性質といえるでしょう。
株式・債券・金・REITを比較する
これまでのシリーズで紹介してきた資産クラスと合わせて、値動きの特徴を整理してみましょう。
・株式ETF:企業の成長に連動し、長期的なリターンを狙う
・債券ETF:金利動向に連動し、値動きを穏やかにする
・金ETF:インフレや有事に強く、分配金はないが「保険」として機能する
・REIT ETF:不動産の賃料収入が原資となり、分配金利回りが高いが金利上昇に弱いそれぞれ値動きの原理が異なるため、複数の資産クラスを組み合わせることで、特定の要因(景気・金利・インフレなど)に偵らないポートフォリオを目指すことができます。
REIT ETFの注意点
REIT ETFを検討する際は、次の点に注意しましょう。
1. 金利が上昇する局面では、価格が下落しやすい傾向がある
2. 分配金利回りが高い分、価格変動(値下がりリスク)も相応にある
3. オフィス・商業施設・住宅など、含まれる不動産のセクター構成によって特性が異なる
4. 分配金には課税されるため、新NISA口座を活用する場合はメリットを事前に確認しておく「分配金利回りが高い=お得」と単純に捉えるのではなく、その裏側にある金利リスクや価格変動リスクも理解したうえで検討することが大切です。
新NISAでのREIT ETFの扱い
新NISAの成長投資枠では、VNQやIYRなどの米国REIT ETFが対象銘柄に含まれている場合がありますが、証券会社によって取扱いが異なることがあります。購入を検討する際は、利用している証券会社の対象銘柄一覧を事前に確認してください。
なお、REIT ETFの分配金や譲渡益にかかる税金の考え方は、基本的にこれまでのシリーズで解説してきた株式ETFと同様です。
まとめ
REIT ETFは、少額から不動産への分散投資を実現できる商品であり、比較的高い分配金利回りが魅力です。一方で、金利上昇局面では価格が下落しやすいという特有のリスクも抱えています。
株式・債券・金・REITとそれぞれ異なる値動きの資産を組み合わせることで、特定の経済環境に左右されにくいポートフォリオづくりを目指すことができるでしょう。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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