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はじめに|株式だけのポートフォリオで大丈夫ですか
前回の【米国ETF入門シリーズ⑫】では、レバレッジ型ETFのリスクについて解説しました。値動きの大きい商品を見た後だからこそ、あらためて考えていただきたいのが「守りの資産」の存在です。
米国株式やETFは長期的に高いリターンが期待できる一方、相場が急落する局面では資産全体が大きく目減りしてしまうことがあります。そうしたときに値動きを和らげてくれる存在が「債券ETF」です。
今回は、AGGやBND、TLTといった代表的な米国債券ETFを取り上げながら、株式との違いやポートフォリオでの役割について解説します。
債券ETFとは
まず、債券ETFの基本的な仕組みを整理しましょう。
・債券:国や企業がお金を借りるために発行する借用証書のようなもの
・債券ETF:複数の債券をまとめてパッケージ化し、株式のように取引所で売買できるようにした商品
・株式ETFとの違い:値動きの源泉が「企業の成長」ではなく「金利」である点株式ETFが企業の成長や業績に応じて価格が変動するのに対し、債券ETFは主に金利の動向によって価格が変動します。また、株式に比べて値動きが穏やかな傾向があり、株式と逆方向に動くこともあるため、分散投資の効果が期待できます。
代表的な米国債券ETF
米国には数多くの債券ETFがありますが、初心者の方がまず知っておきたい代表的な銘柄を比較してみましょう。
一口に「債券ETF」といっても、対象とする債券の種類や残存期間によって値動きの大きさが大きく異なる点に注意が必要です。
金利と債券価格の関係|デュレーションという考え方
債券ETFを理解するうえで欠かせないのが、金利と価格の関係です。
・金利が上昇する → 既発の債券の魅力が下がる → 債券価格は下落する
・金利が低下する → 既発の債券の魅力が上がる → 債券価格は上昇する一般的に、残存期間が長い債券ほど金利変動の影響を大きく受けます。この感応度を表す指標を「デュレーション」と呼びます。TLTのような長期国債ETFはデュレーションが長く、金利変動時の値動きが大きくなる一方、SHYのような短期国債ETFはデュレーションが短く、値動きが比較的穏やかです。
「債券だから安全」と一括りに考えるのではなく、どのタイプの債券ETFなのかによってリスクの大きさが異なることを理解しておきましょう。
株式と債券を組み合わせるメリット
なぜポートフォリオに債券ETFを組み込むのか、その理由を整理します。
株式と債券は常に逆方向に動くわけではありませんが、歴史的には株式が大きく下落する局面で債券が相対的に底堅く推移するケースが見られてきました。株式100%のポートフォリオに一部の債券ETFを組み込むことで、資産全体の値動きをある程度緩やかにできる点が、債券ETFを保有する大きなメリットです。
年齢やリスク許容度に応じて「株式80%・債券20%」「株式60%・債券40%」といった配分を検討する方も多く、これは伝統的に「60/40ポートフォリオ」と呼ばれる考え方の応用でもあります。
新NISAでの債券ETFの扱い
新NISAの成長投資枠では、AGGやBNDなどの債券ETFも対象銘柄に含まれている場合がありますが、すべての債券ETFが対象というわけではありません。購入を検討する際は、利用している証券会社の取扱銘柄一覧で対象となっているかを事前に確認するようにしてください。
なお、債券ETFの分配金や譲渡益に対する課税の考え方は、これまでのシリーズで解説した株式ETFと基本的に同様です。詳しくは税金についての回もあわせてご確認ください。
初心者が気をつけたい3つのポイント
債券ETFを検討する際は、次の点を押さえておきましょう。
1. 「債券=ノーリスク」ではなく、種類によって値動きの大きさが異なる
2. 金利上昇局面では長期債券ETFの価格が下落しやすい
3. 株式との組み合わせ比率は、年齢やリスク許容度に応じて見直す債券ETFは、株式のような大きなリターンを狙う商品ではなく、資産全体の値動きを安定させるための「守りの資産」として位置づけるとわかりやすいでしょう。
まとめ
債券ETFは、株式ETFとは異なる値動きの原理を持ち、ポートフォリオ全体のリスクを抑える役割を果たします。AGGやBNDのような総合債券型、TLTのような長期国債型、SHYのような短期国債型など、種類によって特徴が異なるため、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。
株式一辺倒のポートフォリオに不安を感じている方は、これを機に債券ETFを組み合わせる選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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