はじめに|リード文
米国個別株投資シリーズでは、これまで銘柄選びの視点やセクターの特徴、スクリーニングの方法、決算の読み方、そして買い時・売り時の判断基準を解説してきました。実際に投資を始めると、次にぶつかる悩みが「何銘柄くらい保有すればいいのか」「どうやって分散させればいいのか」というポートフォリオ全体の組み方です。
今回は、米国個別株投資シリーズ第7回として、保有銘柄数の目安やセクター分散の考え方、集中投資と分散投資それぞれのメリット・デメリット、そしてETFと組み合わせるハイブリッドな戦略まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
個別株のポートフォリオでまず考えたいこと
個別株投資は、1社1社の値動きがそのまま資産に反映されるため、どのくらいの銘柄数を持つかによってリスクの大きさが大きく変わります。1銘柄だけに集中投資すれば大きなリターンを狙えますが、その企業に不祥事や業績悪化が起きた場合のダメージも同じだけ大きくなります。
まずは「自分がどのくらいの値動きに耐えられるか」というリスク許容度を踏まえたうえで、銘柄数とセクターの分散度合いを考えていくことが大切です。
何銘柄くらい保有すればいいのか
一般的に、個別株のポートフォリオでよく言われる目安は次のとおりです。
・5銘柄未満 :集中投資型。値動きが荒くなりやすい
・10〜15銘柄 :分散効果が働き始める目安ライン
・20〜30銘柄 :十分な分散効果が得られやすい水準
・30銘柄超 :管理の手間が増え、ETFに近い値動きになりやすい学術的な研究でも、銘柄数を増やすことによる分散効果は20〜30銘柄あたりで大きく逓減していくといわれています。銘柄を増やしすぎると、個別株ならではの値動きの魅力が薄れ、決算チェックなどの管理の手間だけが増えてしまう点には注意しましょう。
初心者の方は、まず5〜10銘柄程度からスタートし、投資に慣れてきたら少しずつ銘柄数を増やしていくとよいでしょう。無理に多くの銘柄を一度に持とうとすると、決算やニュースをチェックしきれなくなってしまいます。
セクター分散の重要性
米国個別株投資シリーズ③でも解説したとおり、米国株にはテクノロジー・ヘルスケア・金融・エネルギーなどさまざまなセクターがあります。仮に10銘柄を保有していても、そのすべてがテクノロジーセクターに偏っていれば、実質的には集中投資と変わりません。
セクターごとの値動きの傾向を踏まえ、複数のセクターに資金を配分することで、特定の業界に逆風が吹いた場合の影響を和らげることができます。
集中投資と分散投資のメリット・デメリット比較
集中投資と分散投資には、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
どちらが正解ということではなく、自分の投資経験やリスク許容度、そして銘柄分析にかけられる時間に応じて、バランスの取れた銘柄数を選ぶことが重要です。
ETFと個別株を組み合わせるという選択肢
「個別株だけで十分な分散を行うのは難しい」と感じる方には、コア・サテライト戦略という考え方がおすすめです。これは、資産の大部分(コア部分)をS&P500連動型ETFなど分散性の高い商品で保有しつつ、一部(サテライト部分)で自分が有望だと考える個別株に投資する方法です。
コア部分(70〜90%):VOO・VTIなどの広範囲に分散されたETF
サテライト部分(10〜30%):成長性やテーマ性に期待する個別株この方法なら、ポートフォリオ全体の安定性を保ちながら、個別株ならではの値上がり益も狙うことができます。新NISAの成長投資枠を使う場合、コア部分とサテライト部分の配分をあらかじめ決めておくと、値動きに一喜一憂しにくくなります。
リバランスの考え方
個別株を複数保有していると、値上がりした銘柄の比率が自然と大きくなり、当初想定していたセクター配分や銘柄配分から崩れていきます。これを放置すると、気づかないうちに特定の銘柄やセクターへの集中度が高まってしまうことがあります。
半年に1回や1年に1回など、あらかじめ決めたタイミングでポートフォリオ全体を見直し、比率が大きくなりすぎた銘柄の一部を売却して、比率が下がった銘柄やセクターに資金を振り向けることをリバランスと呼びます。頻繁に売買する必要はありませんが、定期的にポートフォリオ全体を俯瞰する習慣を持つことをおすすめします。
まとめ
個別株投資におけるポートフォリオの組み方は、正解が一つに決まっているものではありません。まずは5〜10銘柄程度から始め、セクターの偏りに注意しながら少しずつ銘柄数を増やしていくこと、そしてリスクを抑えたい場合はETFとの組み合わせも検討することが、長期的に投資を続けていくうえでのポイントになります。
次回は、個別株投資にかかる税金や確定申告の考え方について解説していく予定です。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。
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