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はじめに|レバレッジ型ETFは「わかりやすいのに危険」な商品です

「S&P500が2倍上がるなら、レバレッジ型ETFを買えばもっと儲かるのでは?」——米国ETF入門シリーズを読み進めてきた方の中には、そう考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

TQQQやSQQQ、SOXLといった名前を一度は目にしたことがあるかもしれません。これらは「レバレッジ型ETF」「インバース型ETF」と呼ばれる特殊な商品です。仕組みを理解しないまま長期保有してしまうと、想定と違う結果になりやすい商品でもあります。

今回は、レバレッジ型・インバース型ETFの仕組みと、初心者が注意すべきリスクについて解説します。

レバレッジ型・インバース型ETFとは

まず基本的な定義を整理しましょう。

・レバレッジ型ETF:対象指数の日次騰落率の2倍・3倍の値動きを目指すETF(例:TQQQ=ナスダック100の3倍)
・インバース型ETF:対象指数の日次騰落率と逆方向の値動きを目指すETF(例:SQQQ=ナスダック100の-3倍)
・レバレッジ・インバース型ETF:上記を組み合わせた商品(例:SPXU=S&P500の-3倍)

これらはいずれも、先物取引やスワップ取引を使って値動きを増幅させる仕組みになっています。仕組み自体は難しくありませんが、注意すべきは「日次」という言葉です。

なぜ長期保有に向かないのか|減価効果(ボラティリティ・ドラッグ)

レバレッジ型ETFの値動きは「前日比」で毎日リセットされます。このため、値上がりと値下がりを繰り返す相場(レンジ相場)では、指数が元の水準に戻っても、レバレッジ型ETFの基準価額は元に戻らず目減りしてしまう現象が起こります。これを「減価効果」または「ボラティリティ・ドラッグ」と呼びます。

簡単な例で確認してみましょう。

指数は2日間で100→99と1%しか下がっていないのに対し、3倍レバレッジETFは100→91と9%も下落しています。相場が上下に振れるほど、この差は積み重なっていきます。だからこそ、レバレッジ型・インバース型ETFの多くは「短期売買専用」と説明されているのです。

通常型ETFとの違いを比較

これまでのシリーズで紹介してきた通常型のインデックスETF(VOOやVTIなど)と、レバレッジ型ETFの違いを整理します。

新NISAの成長投資枠では、高レバレッジ型の商品は対象から除外されているケースが多く、この点からも「長期の資産形成向けではない」という位置づけが読み取れます。

初心者が気をつけたい3つの注意点

レバレッジ型・インバース型ETFに手を出す前に、次の点を押さえておきましょう。

1. 「長期で保有すれば指数の数倍儲かる」という単純計算は成り立たない
2. 経費率が通常型ETFより高く、保有コストがかさみやすい
3. 値動きが激しいため、下落時の含み損も数倍のスピードで拡大する

もちろん、短期的な相場観に自信があり、値動きの仕組みを理解した上で短期売買に活用する分には、選択肢の一つになり得ます。ただし、これまでのシリーズで紹介してきた「積立投資」や「長期の資産形成」という目的とは、そもそも設計思想が異なる商品だと理解しておくことが大切です。

まとめ

レバレッジ型・インバース型ETFは、仕組みそのものはシンプルですが、日次リセットによる減価効果という特有のリスクを抱えています。長期の資産形成を目的とするのであれば、これまでのシリーズで紹介してきた通常型のインデックスETFを積立投資で保有する方法の方が、多くの方にとって現実的な選択肢といえるでしょう。

商品の仕組みを正しく理解した上で、ご自身の投資目的に合った商品を選ぶようにしてください。


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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資勧誘ではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。制度の詳細は金融庁公式サイトをご確認ください。

タグ: #米国ETF入門シリーズ #レバレッジ型ETF #ETF投資 #資産形成 #投資初心者 #東京米国株クラブ

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この記事の執筆者:とびー米国株長期投資家

投資歴5年以上の米国株長期投資家。「東京米国株クラブ」の主宰。投資=ギャンブルだと思い大損する失敗を経験するも、企業分析(財務諸表の徹底的な読み解き)に基づいた長期投資へシフトし、5年間で+1300%超(約13倍)の実績を達成。現在はサラリーマン・事業主として多忙な日々を送りつつ、初心者向けの投資勉強会を東京・オンラインで開催中。

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